香港漫画店、例年の「動漫電玩節」出張から
2016年は目先を変えて
「香港書展 Hong Kong Book Fair」に突撃しました!

1990年から四半世紀の時を刻む、書籍の巨大見本市。
本年は600以上の出展者が集結、入場者はなんと100万人突破という、
香港でも有数のビッグイベントです。
本の販売だけで100万人を吸引!?日本人にはちょっと驚きですが、
ふだん書店の店舗面積や在庫数で必ずしも恵まれていない香港人が
ずっと待ち焦がれる年に一度の「大チャンス」。そして
書籍の枠を越えた、一大カルチャーイベントでもあるのです。
漫画の出展・販売もたくさんありました。ぜひごらん下さい!

会期 2016年7月20日(水)〜7月26日(火)
会場 灣仔・コンベンション&エキシビジョンセンター(會展中心)

 1階メインホールに入ると、すぐ目を引くのは大型書店のブース。新刊を
中心に豊富な本を揃え、しかも大幅値引きありですから地元民にはとても
魅力的。
 「田園書屋」はふだんは九龍・旺角のビル2階でひっそり経営する香港書
/台湾書/大陸書籍のお店ですが、ここぞとばかりに巨大ブースをたて、
「35%割引」で客を呼んでいます。
 ここも大型書店「大衆書局」。「」がお出迎えです。黄色い頭巾がト
レードマーク、オチのはっきりしない4コマでつづる香港生活「あるあるネタ」
漫画の元祖・。気づけばずいぶんシリーズを重ね、脇役キャラ中心の
「外伝」本も多数。当店にもまだ在庫ございます。オチはいまいちボンヤリ
していますが面白いので、ぜひよろしくお願いします!
 灣仔の大型書店「天地図書」のブース。香港・大陸の地域に根ざした書
籍を多数取扱い、店主もひいきにしているお店ですが、ディスプレイには自
社の看板漫画「我的低能之道」のキャラ絵が。たしかにコミック本の在庫も
かなり充実している同展ですが、そんなにプロモーションの主軸にしている
とは…!?とりあえずお店の中をのぞいてみましょう。
 天地図書ブースの入口を大きく占めるのは、たしかにコミック本でした。
「我的低能之道」に始まる馬仔の爆笑エッセイコミック「低能」シリーズはす
でに10冊以上を数えるベストセラー。おバカOLがやがて結婚し、子供がで
きておバカママになり…という内容ですが、意外にも小学生ぐらいの子供
たちが群がっていますね。
 「火鳳燎原」の東立香港です。あいかわらず「あたしンち」が壁面を飾って
いますが(毎年出ている気がする…)マガジン連載「炎炎ノ消防隊」、「クロ
ックワーク・プラネット」などのディスプレイもみえますね。火鳳も正面ウィン
ドーにフィギュアや画集が飾ってありましたよ。でも動漫電玩節より若干、
漫画の在庫量・展示種類は少なめでした。
 雑誌「CO-CO!」でおなじみ正文社です。「CO-CO!」のバックナンバー販
売・連載オリジナル漫画の単行本販売など、「動漫電玩節」同様に力強く
ブース展開していました。でもなんだか店舗が小さい…!?実は3階の子
供向けエリアに、もう1ブース出していたんです。実験付録つき雑誌「子供
の科学」の中文版を大展開し、飛ぶように売れていました。
 「名探偵コナン」、「ポケモン」アニメコミック香港版などを手がける青文出
版です。近年は雑誌の現地版のほうに力を入れていて、「HOBBY
JAPAN」香港版もここだそうです。相対的に漫画の比重は下がっているよ
うで、特にオリジナル漫画でめぼしいものがほとんどないのが残念。
 香港を代表する老舗ギャグ漫画「老夫子」の版元・呉興記出版社。豪華
装丁本にぬいぐるみ、おもちゃやグッズなどを並べ、凝ったサッカーゲーム
等まで作っています。作者・王澤のサイン会も行われたそうです。ただ、こ
の「老夫子」、香港でライセンスをそこら中にばらまいているらしく、書展で
も動漫節でもどこに行ってもグッズを見かけます。版元直営の「公式ショッ
プ」にあまりありがたみがないような…。

  
 ここは近年「波動拳Z」「戦譜」「魔武渡」など薄装本漫画を精力的に出し
てきた版元「大渡出版有限公司」のブースです。(変名での出展でした
が。)ブルース・リーの肖像画がみえますね。映画「ドラゴン怒りの鉄拳」
「ドラゴンへの道」を題材にした絵物語を最近発売しています。他に超大型
画集なども販売していましたが、肝心の薄装本漫画刊行は最近止まって
しまっているそうです。とても意欲的な版元だっただけに残念です。
 漫画雑誌「漫道BATTLE」版元のブース。とかく薄命の香港漫画雑誌で
すが、まだ生き残ってました「漫道BATTLE」!しかも連載作品の単行本化
を積極的にすすめています。アクション、ホラー、かなり多様なジャンルで
個性的です。仕入れてきましたので後日順次UPします。お楽しみに!
 「九龍城寨」の合訂本を発売した版元「創造館」のブースです。漫画はほ
ぼこの一作品だけで、あとは原作者・余児の小説作品がメインでした。だっ
てここは余児さんがつくった会社ですもの…。「九龍城寨」作画者・司徒劍
僑のサイン会もここで行われたそうです。合訂本は当店にも近日入荷しま
す!第2巻は9月発売予定とのことです。
 
 「熱血時報」ブース。漫画誌「熱血少年月刊」は残念ながら休刊してしま
ったようですが、同誌連載のオールカラーコミックが続々と単行本化されて
いました。政党擬人化美少女コミック「黨娘」も待望の第3巻が。おお、さっ
そく買おう…と思ったところブースがなんだか騒がしい。主宰者にして作家
の黄洋達氏の、熱いアジ演説が始まってしまいました。お客さんもそこそこ
おおぜい集まり、なんだか生暖かい熱気が覆います。
 漫画やラノベを多数並べるここは、台湾輸入書店「一代匯集」のブース。
実写映画「僕だけがいない街」のディスプレイがあります。日本漫画・ラノベ
の中文版もたくさん扱っています。もちろん台湾産漫画も充実しており、
「制服至上」第3弾や、一部で話題沸騰の「妄想BL」シリーズも販売。ただ
し「妄想BL」は内容を問題視されたのか、二日後に店を訪れたときには店
頭から姿を消していました。
 ここも台湾からの出展で、BL専門ショップ「可米購 Comic Go」。台湾の
地元作家小説を数多く取扱い、中華時代ものも多数。実は香港にも支店を
出していますが、書店ではここぞとばかりに小説や画集・グッズを大展開し
ています。繊細な絵柄が目を引きます。

 会場には広大な「洋書コーナー」もあります。えっ!?英語読める人がこ
んなにいるの!?と思いますが、学生さん・海外からの駐在員さん・英語
使用国からの出稼ぎさんetc、よく考えれば裾野は割と広いのです。国際
都市・香港ですしね。
 コミックブックもわずかですがありました。「MANGA GIRLS」…ストーリー
漫画というより画集・画法のハウツー本に近いんでしょうか。
 これは「萌えイラストの描き方」テキスト本。実は香港ではこのテの書籍
が少なく、台湾や大陸のほうが充実しています。「書展」には大陸・台湾の
出展者も数多く集まるので、このような本も豊富。写真は台湾産の本です
ね。あちらでよく見る発音記号「注音字母」が表紙にみえます。
 おなじみアイドル猫「クリームあにき」がいますね。会場先行発売の新刊
書籍は「4コマコミック+フォトエッセイ」という構成。サイン会も開かれたそ
うです。5月に尖沙咀東「信和便利店」の店長職を退いてから久々のお目
見えということもあり、開始7時間前から並んだお客さんもいたそうです。会
場には、あにき人気に便乗した「素人猫写真集」があちらこちらに氾濫して
いました。
 本ばかりでなく、知育玩具や文房具の販売ブースもありました。3階ホー
ルが広大な「子供専門コーナー」になっており、絵本や読み物、教育書籍
等とともに玩具を販売し、チビッコの人気を集めています。夜遅くまで家族
連れでたいへん賑わっていました。こんなブースもありました…色とりどり
の3Dパズルを販売しています。
 3階・サブホール外のロビーは、なぜか日本観光プロモーションブースに
なっていました。それも「聖地巡礼観光」専門!?これは埼玉県が出して
いるブース。らき☆すた、クレヨンしんちゃん、さらにコミック「ブルーサーマ
ル」のプロモーションに励んでいました。
 
 3階には巨大な休憩所&カフェテリアも。体育館ほどの広いスペースに、
軽食屋台がずらり並びます。このほかに2階にビュッフェレストラン、1階ホ
ールの外周にも軽食販売コーナーがあり、動漫節とは比べものにならない
ほど飲食関係が充実しているのですが…やっぱり高いです。ペットボトル
の飲み物さえ18HK$(約240円)もします。味も期待できませんし…飲食
物を買うというより「休憩スペースを買う」感覚でしょうか。
 3階ホール外の廊下では毎年テーマ展示をやるそうですが、今年はズバ
リ「武侠」。金庸を中心に、古龍・温瑞安など巨匠&人気作家の貴重な資
料を展示しています。もちろん書展入場料のみで観覧自由。そのわりに非
常にレアな展示品がたくさんあり、見ごたえたっぷりでした。さあ、中を見
てみましょう。
 「コミック化された金庸作品の数々」が展示されていましたが、実物本・
新聞が、びっくりのレアものだらけ!左上が1960年代後期、「龍虎門」など
が出る前の時代の「倚天屠龍記」。左下は1980年代の薄装本「鹿鼎記」。
そして右は1960年代前後の新聞連載漫画「素心剣」!いずれも実物を見
たことがないものばかりで、店主興奮しました。

 これは古龍「陸小鳳」、1980年代中期にテレビドラマ化された際に撮影
で使われた衣装&武器。とても良い生地を使っており、質感は抜群でし
た。もっとも剣は紙製のフェイクです。真剣だと重すぎ、プラスチックだと古
装劇らしい質感が出ないのでしょうね。紙の素材に塗料が吹きつけてあり
ました。
 「四大名捕」で当店でもおなじみの温瑞安。ドラマ化・映画化・コミック化
作品を一堂に集めています。中華圏の枠を越え、米国や東南アジアに進
出した時の資料も。金庸・古龍・梁羽生のあとをつぐ新世代作家ですが、
負けず劣らずの広汎な人気を獲得していることがわかります。



書展会場「會展中心」の外周で、香港地元漫画の特別展示が行われていました!
 「30人の漫画スターと記念撮影しよう」。歴史的な人気作品のキャラクターをカラー立像化し、訪れたお客さんと記念撮影できるように展示しています。どうも原作者の監修が入っていないらしく、立像の出来は正直微妙でしたが…地元漫画を宣伝する有意義なイベントですね。ぜひごらん下さい!
  
 
 
 
 
登場作品(キャラクター名):
九龍城寨」(陳洛軍)/「李小龍」(李小龍)/「古惑仔」(陳浩南)/「我的港女老婆」(Cuson)/「森巴Family」(森巴)/
「偽科学童話」(熊猫)&「火鳳燎原」(燎原火)/「中華英雄」(華英雄)/「封神紀」(武庚)/「神兵玄奇」(問天)/「龍神」(龍神)/「風雲」(歩驚雲)


●昨年(2015年)の「動漫電玩節」レポートはこちらでどうぞ!

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